【社労士が解説】辞めさせてくれない時の退職代行【退職110番】

退職代行
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会社員Aさん

この前、社長に「会社を辞めたい」と伝えたら、「辞めたら損害賠償を請求するぞ!」と脅されました。会社を辞めたら損害賠償されることはあるのですか?

会社員Bさん

「辞めます。」と伝えると、引き留められたり、文句をいわれたりしそうで面倒です。なので退職代行に依頼したいのですが、どこの代行業者を選べば良いのですか?

社労士M

今回の記事では、このような疑問を中心にお答えします。また退職代行を選ぶ際のポイントもお伝えします。

✔今回の記事でわかること

  • 会社が就業規則に反して、退職した社員のその後
  • 退職代行に依頼すべき際に注意すべき点について

✔本記事の内容

  • 辞めたら本当に会社から裁判をおこされるのか?
  • 辞めさせてくれないときはどうする?
  • 弁護士が会社と交渉する退職代行について

【社労士が解説】辞めさせてくれない【退職代行のメリット】

会社員Cさん

辞めると伝えたら会社から裁判をおこされそうで、とても不安・・・。

会社員Dさん

絶対に辞めさせないと言われ、辞めたら損害賠償を請求するとまで言われました・・・。

 

会社員Eさん

退職代行業者に頼むだけで、すぐに辞められるのか不安だな・・・。

会社を辞めたいけど、色々なことが頭を過ぎり、辞めると言い出せない方は多いと思います。また「辞めさせない」と会社から脅し文句を言われて、身動きが取れない方もいるはずです。

そこで今回の記事では、現役の社会保険労務士である私が、辞めさせてくれない時はどうすればよいのか。果たして退職代行を使うべきなのか。そのような疑問に答えていきます。

社労士M

私がこの記事を書きました。

名前:社労士M

経歴:平成23年(2011年)社会保険労務士試験に合格しました。
合格後、平成26年(2014年)に「特定社会保険労務士」を社会保険労務士名簿へ付記して、労使紛争の解決に取り組んでいます。
特定社労士とは、個別労働紛争における代理人としての業務が認められた社労士のことです。
また、都道府県社労士会の判例研究会や労働紛争研究会などの研究団体に所属して、労務管理に関する書籍執筆にも参加しました。

特定社労士が代理人を務める個別労働紛争には、退職に関する紛争も含まれます。それゆえ特定社労士は労働問題に精通した弁護士と同じく、労働紛争の専門家です。

今回は専門家の観点から「退職代行」について考察し、退職時の最善の選択などをお伝えします。

辞めたら本当に会社から裁判をおこされるのか

辞めることを会社に伝えた場合、会社は損害賠償を請求してくるのか。退職代行を利用してでも辞めたい方は、とても気になることでしょう。

損害賠償される可能性があるのか、ないのかといえば、請求される可能性は「あります」。そこで実際に、会社が退職を巡って労働者に対して損害賠償請求をした事案を以下にご紹介します。

辞めたら会社から損害賠償請求された事案

これからご紹介するのは、会社が退職した労働者に対して損害賠償請求をおこなった判例です。(判例タイムズ2018年2月号 プロシード元従業員事件 平成29年3月30日横浜地裁判決)

この裁判は、就業規則に

自己都合で退職するときは90日前までに退職願を提出する

と規定されているにも関わらず、社員がこの規定に違反して退職し、かつ引継ぎもしなかったとして会社が損害賠償を請求した事案です。(請求額は1270万5144円)

この請求に対して裁判所は、旧民法627条2項所定の期間経過後は、雇用契約は終了すると判断して、会社側の請求を棄却しました。

さらに裁判所は、1270万5144円もの大金を労働者に賠償請求することは、裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠く不当訴訟なので、逆に会社は労働者に対して賠償するようにと命じています。

「旧民法627条2項所定の期間」は2週間です。ただし旧民法627条は任意規定ですから、退職願の提出を2週間より長い期間前までにするように定める就業規則の規定は有効となります。

ところが裁判所は、会社が就業規則に定めた退職90日前という提出日は、公序良俗に反して長いと判断したのです。

このように、会社が労働者に損害賠償を請求することはありますが、裁判所は民法の規定を優先する傾向にあるといえるでしょう。

【社労士が解説】月給制正社員の退職ルール

ところで、民法627条2項は次のように改正されました。(令和2年4月施行)

期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。

旧民法627条2項の適用対象は、労働者と使用者の双方となっていましたが、新民法627条2項では「使用者からの解約の申入れ」と、適用対象を使用者(会社)のみとしました。

そのため、期間によって報酬を定めた労働者(主に月給制正社員など)は、新民法の規定でいつでも解約の申入れができるのです。

要するに月給制正社員も、民法の改正により、2週間前までの申し入れで退職できるようになりました。

辞めさせてくれないけど辞めてもいいのか

前述した裁判例(プロシード元従業員事件)で、会社の請求が認められなかったため、今後は労働者を訴えるような会社が減るかといえば、そうとも言い切れません。

訴えるも訴えないも、当事者の自由ですから、裁判を起こす会社はなくならないでしょう。

会社が「辞めさせてくれない」のに辞めようとするときは、労使間のトラブルを回避するため、自身に変わって交渉が可能な代理人に依頼することをおすすめします。

社労士M

退職の際には「使者」に依頼したことで、会社とトラブルに発展しないよう気をつけましょう。

辞めさせてくれないときはどうする?【退職代行を使うべきか】

退職代行を使うべきか否かについては、自身の状況や性格によるでしょう。

激務で心身共に疲弊している人や、上司が高圧的なために言い出しにくいようなケースでは、自身の精神衛生のために退職代行を使うべきです。

また「絶対に辞めさせない」「辞めたら損害賠償を請求する」などと脅されて、労働者としての権利を行使できない状況にあるようでしたら、尚更、退職代行を利用すべきです。

退職代行の選び方

安心・安全に退職を代行してほしいならば、弁護士に依頼すべきでしょう。

弁護士ならば、その名義で退職通知書を会社に送付できますし、法律に関連する交渉を行うことができます。

さらに年次有給休暇の取得申請や私物の引き取り、貸与品の返却などを退職者の代理人としておこなってくれるので、労働者の権利も行使できます。

また弁護士は法律の専門家ですから、退職時に発生する法的な手続きも任せることができます。

ところが退職代行サービスの運営には、弁護士資格が絶対に必要ではないので、弁護士(または弁護士法人)が運営しない退職代行サービスが多く存在します。弁護士(弁護士法人)が運営しない退職代行サービスは、どこまでサポートしてくれるのか、利用する前に必ず確認しておきましょう。

費用が安い、成功率が高い、多くのメディアで紹介された等の広告だけで選ぶのではなく、会社との交渉を弁護士が担当するのか否かは、しっかりと確認してください。

退職代行サービス比較表

下の表は、主な退職代行サービスの比較表です。退職代行サービスを利用する上で、利用者が気になる点だけを比較してあります。(令和3年7月時点)

退職代行サービス名退職代行の費用交渉は弁護士か退職できなかった場合の返金保障
EXIT(イグジット)50,000円(アルバイト・パートは30,000円)×
弁護士が運営に関わる
×
退職代行SARABA25,000円×
労働組合が運営
退職代行コンシェルジュ49,800円(アルバイト・パートは39,800円)×
顧問弁護士が指導する
×
退職110番43,800円(追加オプションあり)
弁護士法人みやび55,000円(追加オプションあり)×
社労士M

弁護士が運営に関わったり、代行会社の顧問弁護士が指導したりすることがあっても、その弁護士が利用者のために会社側と交渉することはありません。退職代行を利用する際には、訴訟リスクにも対応してくれるのか確認しましょう。

【社労士がメリットを考察】退職110番【弁護士が会社と交渉する退職代行】

退職代行サービス比較表の中でも取り上げました「退職110番」は、会社との交渉を弁護士がおこないますので、未払残業代や退職金の請求などにも対応できます。

また弁護士資格を有していなければ、会社からの訴訟対応もできません。「辞めさせてくれない」と悩む方にとっては、弁護士が交渉する退職代行サービスが最も適しているでしょう。

退職110番が安心・安全である理由

出典:「退職110番」ホームページ

社労士という立場から、退職代行サービス「退職110番」を考察すると「会社を辞める」という労働者のストレスを一手に引き受けてくれるサービスと評価します。

「弁護士及び弁護士法人ではない者」による退職代行サービスは「非弁行為」(弁護士法72条)と考えられますから、利用者が不測のトラブルに巻き込まれる可能性もあるのです。

退職は「労働契約の解約」となりますから、会社は労働条件となっている就業規則などを根拠として、退職を認めない可能性もあります。その際に、会社との交渉を弁護士に依頼することで、トラブルを回避するように努めてくれます。

社労士M

弁護士ならば、退職に際してその意思を伝えるだけではなく、会社に対して交渉も請求もしてくれます。

依頼者の安心と安全を考えれば、誰に退職を依頼すべきかは、明らかではないでしょうか。

退職代行費用は一律で返金保障がある

弁護士に依頼する際は、相談料だけではなく、着手金なども支払わなければなりません。しかし弁護士法人の運営する「退職110番」は、退職代行費用は一律(43,800円)ですし、退職することが叶わなければ費用の全額を返金しています。

社会保険労務士も兼ねている

「退職110番」を運営している相川祐一朗弁護士は、社会保険労務士にも登録いるので、退職時における書類の作成・各種請求にも精通しています。

そのため、離職票の請求や退職時の所定手続きを代行してくれるので、安心・安全に任せられるでしょう。

残業代や退職金の請求にも対応してくれる

退職代行費用とは別途成功報酬が必要になりますが、残業代や退職金の請求も「退職110番」を運営する弁護士法人が受任してくれるので「サービス残業をしたのに残業代を支払ってもらえない。」「就業規則に退職金の支払が規定されているのに支払ってもらえない。」等のトラブルにも対応してくれます。

ただ辞めるだけのサービスではなく、退職時に労働者の権利を実現するサービスともいえるでしょう。

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